任意売却後の住宅ローンの自己破産事例。神奈川県厚木市・横浜市の法律事務所が管理。

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ケース紹介138 Kさんの事例

40代 / 男性 / 無職

借入の理由:住宅ローン、病気


神奈川県厚木市在住の40代男性のケースです。

住宅ローンを夫婦で連帯債務で組んでいたものの、病気により働けなくなり、支払ができなくなったとして相談にきました。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.30

 

結婚生活での生活費を借り入れ

過去にアコムやクレディセゾンとの間で取引をしていました。

これは以前の結婚での生活費がかさんだものでしたが、完済をしていました。その後、離婚に。

結婚生活は、本来生活コストを下げる効果がありますが、配偶者によってはかえって生活コストが上がってしまうケースもあります。


双方が収入を得ていれば、収入は増え、住居費など生活コストを共有することによって生活費支出を下げられるのが本来の経済的な効果です。

配偶者に収入がなく、金遣いが荒い、支出が多い性格だったりすると、かえって家計の収支は悪化するということもあります。


配偶者間でコミニケーションが取れていないと、この点を借金で解決したりすることになり、長期的に見ると離婚率が高くなります。

味気ないかもしれませんが、パートナー選びでは、相手の金銭感覚もポイントとしておきたいものです。

 

住宅ローンを連帯債務

その後、再婚。

妻と一緒に銀行で住宅ローンを組んでマンションを購入しました。


当時から妻も働いており、2人の収入で返していくことを前提に、連帯債務とされました。
2人で毎月12万円の支払でした。


基本的には、夫婦で連帯債務での住宅ローンについては不確実事項が増えるので、あまり勧めてはいません。


ただ、夫婦関係が長期間円満に続くことや、双方とも収入が維持できるのであれば、一人の信用では購入できない高額の不動産をローンで購入することもできる仕組みではあり、一定の前提条件の下では合理性がある契約にはなります。


不確実事項としては、双方の収入が維持できるかということと、夫婦関係が悪化して離婚にならないかという点があります。

失敗すると、双方ともが自己破産などすることが多くなってしまうリスクがあります。

 


病気により収入減少

仕事を続けて、収入から返していけると考えていたのですが、何度か仕事が十分にできないという理由でクビになることが続きました。
その後も転職をするのですが、同じように解雇されてしまいました。


病院に行ったところ、病気からくる注意力障害があると言われました。


それまで働いていた仕事も続けられなくなってしまいます。その後も転職先を探していたのですが、見つからなかったため、住宅ローンの支払ができなってしまいます。

病気による収入減少での支払い不能というケースはかなりあります。
どうしても、人間は、病気から逃れられない生き物なのです。

今回のように、複数の職場で解雇されるのは異常事態です。


それまではしっかり働けていたのに、徐々にこのようなことが続くということは、何らかの変化が起きている兆しです。
メンタル面のこともありますし、そうではない病気のこともあったりします。
このような事態が続く場合には、体調をチェックしてみることにより原因がわかることもありますので、参考にしてみてください。

 

自宅を任意売却

このような状態ではマンションを維持することはできないだろうと考え、不動産業者を探し、任意売却をしようとしました。ただ、売りに出すもののなかなか買い手は見つかりませんでした。

その不動産業者の話では、自宅から引っ越した方が売れやすいと言われたので、妻がアパートを借りて、マンションから引っ越しました。

しかし、それでも売れず、その後は、住宅ローン、管理費の支払のほか、新しいアパートの家賃も支払わなければならず、生活ができなくなってしまったため、法律相談に行き、任意売却の進め方や売却後も残る見込みのローンの処理について相談。


その後、住宅ローンの支払を止めて、スルガ銀行に任意売却の方向性を伝えたところ、銀行が主導的に売却を進める形に変更しました。

その結果、任意売却ができましたが、結局、1000万円以上ものローンが残ってしまったため、自己破産手続を申し立てたというものです。

 

任意売却時にローンを停止

住宅ローンが払えずに不動産を手放す方法としては、任意売却と競売があります。

任意売却の方が売却金額は通常高く、売却時期もコントロールできるメリットがあります。

住宅ローンを停止して、任意売却での動きがないと、銀行等は裁判所を使った競売の申し立てをしてきます。

ただ、銀行等の住宅の債権者も高く売れた方が良いので、基本的には任意売却を勧めてきます。


任意売却について、不動産業者に依頼をした場合、このように、住宅ローンの支払いながら売却を勧められることもあります。

この方が、売却期間を長く取れるため、短期間で売れない物件も取り扱いを継続しやすいという事情もあります。

また、売却を試みている間に、競売に動かれてしまうと問題になるため、このような売り方を勧めてくることもあります。

 

任意売却と引っ越し

また、不動産を売る際には、居住中よりも、空き家の方が売れやすいという事は想像できるかと思います。

そのため、なるべく引っ越してくれと言われることもあります。


ただ、このように、引っ越しをして、かつ住宅ローンを払い続けながら任意売却を試みるとなると、支出が多くなり当然ながら家計が圧迫されます。

住宅ローンが払えないと思って任意売却を依頼してるにもかかわらず、なかなか売れない、かえって家計を圧迫されるということにもなりかねません。

任意売却については、不動産業者と相談したり、弁護士と相談し、ローンの支払いを止めてしまい、銀行等と協業しながら、短期間で試みる方が家計にとっては良いです。


 


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