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自己破産とは

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自己破産とは

 

自己破産とは,簡単に言えば借金をなくす制度のことです。


とてもじゃないけれど、消費者金融、サラ金、クレジット会社、銀行などへの借金を全部返せない人の借金をなくしてしまい、その人に人生をもう一度始めさせようという制度です。
正確には、破産宣告を経て、免責許可決定が確定することで法律上の支払義務がなくなります。

 

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.30

 

今でも、年間約14万人の方が使っている制度です(平成21年度司法統計より)。


財産の処分について

自己破産をすると、誰かが自宅に来て、家財道具まで全てもって行かれてしまうという誤解をしている方がいます。しかし、自己破産をしても、一定の財産は処分されずに持ち続ける事ができますし、ほとんどの場合、自宅の調査まではされないと思います。


裁判所によっても若干運用が異なりますが、基本的に

  • 20万円以下の預貯金
  • 20万円以下の保険解約返戻金
  • 20万円以下の退職金請求権(1/8相当額)
  • 20万円以下の価値の自動車
  • 20万円以下の動産(中古パソコン等)

については、そのまま持っていられるという処理がされていると思います。長年使っている家財道具もそのまま持っていられることがほとんどです。

ただし、これらの財産がいくつか集まって数十万円になっているような場合には、一定額を処分するという運用をしている裁判所もあります。
また、理由なく数十万円の現金を所持している場合には、調査されることもあります。21万円を超える現金を所持している場合には、管財手続にまわされ、管財費用が必要となる場合も多いと思われます。

管財手続となった場合には、この基準を超える財産でも、自由財産拡張の申立てをすることで一部を残せる可能性も高まっています。


財産関係が微妙な場合には、専門家の意見を聞いた方がいいと思います。

ギャンブルや浪費について

自己破産の目的は、免責許可決定を受けることです。
免責許可決定というのは、破産した人の借金の支払義務をなくしてもよい、という判断です。

次のような免責不許可事由がある場合、裁判所は、免責を許可しないことができてしまいます。

免責不許可事由

  • ギャンブル、浪費
  • 財産があるのに隠す
  • 借金が少ないのに多く見せる
  • 自営業者などで帳簿を隠す、嘘の記載をする
  • 債権者の名簿(裁判所に出す)に嘘を書く
  • 返せない状態なのに、嘘を言って借金を増やした
  • 返せない状態なのに、一部の債権者だけに特別に返した
  • 7年以内に免責を得たことがある(2度目ということ)
  • 破産法が定める義務に反した。

ただし、免責不許可事由があっても、その理由や規模によって、裁判官の裁量で免責することができます。
このような免責不許可事由がある場合には、専門家に相談して裁量免責が出されそうかどうか確認した方が無難だと思います。


例えば、昔、ギャンブルで多額の借金を負ってしまった事情は認められるものの、借金の原因には収入が減って生活費が足りなかったという事情も認められ、その後、借金を返すために休日もバイトしていたようなケースでは裁量免責が認められ、借金がなくなったケースもあります。

弁護士費用について

人によって異なります。

 個人の方で、非事業者の場合

まず、実費2~3万円必要になります。
正確な費用は裁判所や債権者数によって変わってきます。
(一定の事情があり、管財事件になる場合には、さらに20万円以上の実費が必要になる場合があります。)

弁護士に依頼する場合には、さらに弁護士費用がかかります。

事件を依頼する時に必要な費用として着手金20万円+消費税
免責許可決定を受けることができた場合、報酬10万円+消費税
(ただし、管財手続の場合、一部免責不許可事由がある場合、債権者が18社以上の場合は20万円+消費税)

夫婦や家族で一緒にご依頼された場合には、若干の減額をできる場合もあります。

 公務員の自己破産について

 個人の方で、事業者の場合

事業規模や管轄裁判所によって異なります。
管財手続となる場合がありますので、その場合、裁判所に納める実費として、22~23万程度が必要になることがあります。

弁護士費用は、事業規模によっても異なりますが、自宅事務所で、従業員もいないようなケースでは、非事業者の方と同じ金額で対応できる場合もあります。具体的な費用については、お問い合わせ下さい。


法人の場合

事業規模、債権者数、資産状況等によって異なりますので、お問い合わせ下さい。

 未払賃金がある場合の立替払い制度の利用について

 分割払いについて

個人の方の場合には、着手金の分割に応じています。実費を含めて5回分割まで応じています。
ただし、受任通知を発送して、債権者からの請求を止めるのは、初回の入金確認後となります。

これでも費用を払えない場合には、収入や生活状況によっては、法律扶助制度による立替払い制度を利用することが考えられます。ただし、弁護士による受任通知の発送まではある程度の期間がかかります。


くれぐれも、弁護士費用の支払のために貸金業者から借入をするなどということはしないで下さい。

管財手続について

 管財手続きとは

自己破産後の生活について

自己破産とは、今残っている借金の支払い義務をなくすものです。

破産後の生活は、ご自身で立て直さなければなりません。

収入を確保したり、その収入の範囲内での生活をしていくなど、生活を立て直すには、ご自身の努力も必要になります。

自己破産は、借金返済という家計における支出部分を一部改善することに過ぎません。

借金をなくすことだけにとらわれてしまい、家計全体を見直すことをしないと、破産後に同じ過ちを繰り返す危険がありますので、ご注意下さい。

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弁護士 石井琢磨 神奈川県弁護士会所属 日弁連登録番号28708

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