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ケース紹介

 

ケース紹介64 Aさんの事例

30代 / 女性 / パート

借入の理由:奨学金、転居生活費


秦野市にお住まいの30代女性のケースです。

奨学金を含めて、約300万円の借金が返せないという相談でした。

 

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2021.7.30

奨学金

大学進学のため、学生支援機構から190万円ほど借入れをしていました。

また、在学中に、部活動費用がかかったため、その費用を捻出するために、消費者金融から借り入れました。

周囲も同じような生活をしていたため、抵抗は少なかったようです。

奨学金については、保証人をつけていませんでした。

 

大学卒業も就職できず

大学を卒業するも、正社員としては就職できず、アルバイトをしていたため、月収は8万円ほど。

返済どころか、生活費が足りない事が度々ありました。


そんな時に返済資金を作るため、あるいは生活費に充てるため、銀行からも借入れるようになりました。


奨学金も月1万8000円ほど返済しなければならなかったため、そうこうしているうちに次第に債務が増えてしまいました。

 

任意整理

返済が難しくなったので、一度、任意整理をしました。

これにより、金融機関の借金は、利息がかからない形で分割払いの合意ができました。

借金返済のゴールが見えることになり、気持ち的にはラクになりました。

この任意整理に従ってしばらくは、返済していたのですが、その後、家族の都合で転居するも、うまく仕事が見つからず、増加した生活費と任意整理の返済に足りる収入が得られず、任意整理の返済ができなくなってしまいました。

海外を含む複数の会社で、チャットレディのアルバイトをするなどして、資金作りを試みましたが、うまく収入化することができず、返済再開には至りませんでした。

また、FXの取引で収入ができないか多少試すなどもしましたが、うまくいかず、3~4ヶ月でやめており、現在、FXの口座には残高がないという状態でした。

これにより、返済を断念し、破産の相談に来ました。

 

FXなどのギャンブルは免責不許可事由

FXは、ギャンブルと同じような内容で、免責不許可事由にあたります。

もっとも、その金額や目的によって、不許可事由になるかどうか、裁量免責になるかどうか変わってきます。

相談者の場合には、金額も少額であり、期間も短かったことから、管財事件にもならず、同時廃止手続きにより免責が許可されています。

 

奨学金破産

このような奨学金破産は、どうしても発生してしまいます。

奨学金の借入時に借金である認識が弱いこと、大学卒業も返済できる余裕がある収入を得られないことが多いこと、一度、就職できても、失職により同じような収入を得られないことが多いことなどから、長期間の返済に行き詰まってしまう人は多いです。

それでも、猶予制度を使いながら、完済する人ももちろん多いです。

奨学金により、キャリアを築けたという人もいるわけですが、卒業後の進路によって大きく分かれるのが実情です。

 

親の方も経済力がなく、学費負担が難しいことが多く、そのような場合、子の奨学金に頼るしかないことも多いです。

本来は、大学進学という周りにあわせた効果が見込めるのか、シビアに検証しないといけない問題なのですが、どうしても盲目的に、大学だけでは出ておきたいと考える人が多いため、この問題が残り続けています。

 

奨学金以外に、借金が増えてしまっている場合も多く、現在の社会構造上、一定数は、自己破産により精算という解決をするしかないと考えます。


奨学金を含めた自己破産相談も多いです。ご相談は無料で受け付けています。

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