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ケース紹介257 Wさんの事例

40代 /男性 / 会社員

借入の理由:推し活


推し活による借金問題で悩む人もいます。

アイドルやVTuberへの応援が原因で返済困難に陥った場合、自己破産という法的手続きが解決策となり得ます。

しかし、推し活の多額の出費は「浪費」とみなされ免責不許可事由に該当する可能性があります。

本記事では推し活借金から自己破産に至る流れ、管財事件になるリスク、裁量免責の可能性まで解説していきます。

この記事は、

  • 推し活による借金問題で悩んでいる
  • 家族が推し活しすぎて心配

という人に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2025.9.18

 

推し活で借金

「毎月の給料のほとんどが推し活に消えていく」「ライブ遠征のために借金を重ねてしまった」――そんな悩みを抱える人は決して珍しくありません。

好きなアイドルやアーティスト、VTuberを全力で応援するうちに気づけば借金が膨らみ、最悪の場合は自己破産に至るケースも増加しています。

コンサートやグッズ購入など一回の支出は小さくても塵も積もれば山となり、さらにSNSで他のファンと比較したり「推せるときに推せ」という風潮も相まって、気づかないうちに借金の沼にはまってしまいやすいのです。

こうした背景には、近年の推し活を取り巻く環境変化もあります。

推し活

たとえば地下アイドルやVTuberなどファンとの距離が近い存在が人気となり、「自分の応援が推しの成功につながる」と感じられる分、無理をして支出してしまう傾向があります。また「今しかない瞬間を逃したくない」という考え方が広まり、後で後悔しないようにと現在の満足を優先してしまうファン心理も指摘されています。

ランダム封入のグッズや期間限定・枚数限定の特典商法など、企業側の販売戦略もファンの射幸心を刺激し、つい出費がかさむ仕組みが増えています。さらに、スマホから簡単にカードローンやリボ払いで借入できてしまう昨今、気軽に利用した結果「気付けば借金まみれ」というケースも多いのです。

このように推し活が原因で借金を抱えるのは決して特殊なことではなく、むしろ社会的な現象となっています。大切なのは、追い詰められてしまった場合に一人で悩まず正しい対処を知ることです。

 

自己破産とは

推し活が原因で返済不能なほど借金が膨らんでしまった場合、「自己破産」という法的手続きを検討することになります。

自己破産とは、裁判所に申立てを行い借金の返済義務を免除(免責)してもらう手続きです。

適切に手続きを踏めば、税金など一部例外を除き基本的にすべての借金をゼロにして生活を立て直すことが可能となります。推し活による借金問題の根本解決策として、有力な選択肢と言えるでしょう。

 

自己破産の大まかな流れ

弁護士など専門家へ相談・依頼:

まずは借金問題に詳しい弁護士等に相談し、自己破産手続きの依頼をします。

専門家に依頼した時点で債権者への受任通知が発送され、督促や取り立てがストップするため、落ち着いて手続きを進めることができます。

自己破産流れ

債務額や財産の調査・書類準備:

弁護士が各借入先から取引履歴を取り寄せて債務総額を確定し、依頼者の収支や財産状況を調査します。同時に、裁判所提出用の申立書類を準備します(債権者一覧表、陳述書〈経緯や反省文〉、収入・資産に関する証明書類など)。

専門家の指示のもと必要書類を揃えます。

 

裁判所へ自己破産を申立て:

管轄の地方裁判所に申立書一式を提出し、破産手続開始の審査を受けます。

裁判所によって、申立人(債務者)は、裁判官との面接(審尋)がありますが、神奈川県では省略傾向にあります。

ここで借金に至った経緯や現在の生活状況について説明し、手続きが適切か判断されます。

 

手続きの判断:同時廃止 or 管財事件

同時廃止での申立をした場合、裁判所は申立内容や書面での質問等を踏まえ、破産管財人を選任せず簡易に終わらせる「同時廃止」にするか、管財人を立てて調査を行う「管財事件」にするかを決定します。

 

免責審理と決定:

破産手続きと並行し、借金を帳消しにする「免責許可」を得るための審理が行われます。

問題がなければ数か月後に免責許可決定(借金の免除)が下り、晴れて借金がゼロになります。

免責が確定すれば自己破産手続きは終了です(※税金等の非免責債権を除く)。

 

こうして経済的に再出発するチャンスが与えられます。自己破産手続きにはある程度の時間と労力がかかりますが、借金を帳消しにできる非常に強力な制度です。

金銭的な行き詰まりから抜け出し、「ゼロからの再スタート」を切るために法律が用意した救済措置と言えます。

ただし、誰もが必ず免責を得られるわけではなく、注意点もあります。

特に推し活による浪費と自己破産の関係が問題となります。

 

推し活の出費は「浪費」?

推し活での借金の場合、免責不許可事由になるリスクがあります。

自己破産には「免責不許可事由(めんせきふきょかじゆう)」といって、本来であれば免責を与えるべきでない一定の理由が法律で定められています。

その一つに「浪費または賭博その他の射幸行為によって著しく財産を減少させ、または過大な債務を負担したこと」が挙げられており(破産法252条1項4号)、ギャンブルや過度な浪費が借金の原因の場合、原則として借金の帳消し(免責)が認められないことになります。

では、アイドルグッズ購入や遠征費といった推し活への出費は「浪費」に該当するのでしょうか。

 

浪費の判断は、個々のケースによりますが、一般的な生活水準を超えて借金をしてまで費やした推し活費用は、法律上「浪費による過大な債務」と見なされる可能性が高いと言えます。

浪費が免責不許可事由に該当するほどの金額だと、裁判所は免責を認めず借金が残ってしまう可能性があります。

推し活に熱中するあまりクレジットカードでグッズを大量購入したり、借金までしてライブ全通(全公演参加)していたような場合、「返済する意思なく借金をした」と受け取られかねず注意が必要です。

また、借金返済に行き詰まり「闇金に手を出す」「チケットを違法に転売する」等の不適切な行為に及んでしまうと、免責どころか犯罪として処罰される恐れもあり絶対に避けなければなりません。

 

推し活と裁量免責

もっとも、浪費があるからといって直ちに免責が下りないわけではありません。破産法には先述の免責不許可事由があっても、裁判官の裁量で免責を許可できる「裁量免責」という制度があります。

Q.自己破産の裁量免責とは?

 

これは、事情次第では更生の機会を与えるための救済措置で、実際問題として浪費やギャンブルが原因の借金でも多くのケースで免責は認められています。

重要なのは、裁判官に「この人は真摯に反省し、やり直す意思がある」と理解してもらうことです。

つまり、推し活による浪費が原因でも自己破産によって借金をゼロにできる可能性は十分あります。

ただしその場合、「管財事件」という形で手続きが厳格化するなどのハードルが生じる点に留意が必要です。

裁量免責許可

管財事件になる可能性

自己破産には手続きの種類として「同時廃止事件」と「管財事件」の2つがあります。

簡単にいうと、借金はあるが換価できる財産がほとんどなく問題行為もない場合は同時廃止、一定以上の資産があったり免責不許可事由が疑われる場合は管財事件として扱われます。

同時廃止

推し活による浪費が大きな原因となっているケースでは、多くの裁判所で破産管財人が調査に当たる管財事件に振り分けられるのが一般的です。

 

管財事件になると具体的に何が変わるのでしょうか。

主なポイントは以下のとおりです。

破産管財人による調査が行われる:

裁判所が選んだ弁護士が管財人となり、申立人の財産や借金の原因について詳しく調査します。

管財人は債務者の財産を管理・換価して債権者に配当するほか、免責を与えてよいか裁判所に意見を述べる役割も担います。推し活による浪費状況についても家計簿の提出を求めるなどして確認されます。

費用と期間の負担増:

管財事件では管財人の報酬等の費用として裁判所に予納金を収める必要があります。通常は最低でも20万円を準備しなければなりません。

最初から管財事件での申立をする場合には、弁護士費用以外に予納金を貯める必要があります。

同時廃止での申立をしたものの、裁判所によって管財事件とされた場合には、そこから長くとも3,4ヶ月で貯める必要があります。

また手続き期間も長引くことがあります。

破産管財人の判断が長引くと、債権者集会が何度も開かれ、免責決定まで4~6か月以上かかる事例もあります。

債権者集会への出席:

管財事件では原則として債権者集会(破産者・管財人・債権者が集まる場)が開かれます。

もっとも多くの場合、債権者は出席せず形式的なものですが、破産者本人は出頭して管財人から財産状況や反省状況について質問を受けます。

ここで誠実に対応することが免責許可を得る上で重要です。

管財事件のデメリット

以上のように、管財事件になると同時廃止に比べ手間も費用も格段に増えます。

推し活による浪費が原因の場合、免責不許可事由に該当するため「同時廃止ではなく管財事件で様子を見る」という運用がなされやすく、結果的に追加の費用負担が発生してしまうリスクは無視できません。

しかし裏を返せば、管財人による適切な調査と債務者の真摯な態度次第で、浪費があっても免責が許可される可能性が高まるとも言えます。

実際に、ある自己破産管財事件では破産者がゲームや趣味に浪費して多額の借金を抱えていましたが、管財人の調査の結果、他に不正はなく本人も深く反省して浪費を止めていたため、管財人が「裁量免責相当」との意見書を提出し免責許可が下りた例があります。

「浪費でも破産は可能。適切に対応すればちゃんと借金はゼロにできる」というのが専門家の実感です。

反省文の提出

推し活のような浪費で自己破産をする場合には、まず浪費を止め、家計収支を正常化する必要があります。

推し活の場合には、その支出をなくすのがベストでしょう。

まず「もう二度と同じ過ちを繰り返さない」という強い意思を示すことです。浪費癖に陥った原因を自己分析し、家計管理の見直しや推し活との付き合い方を改善する姿勢を具体的に示しましょう。

管財人や裁判所から反省文(陳述書)の提出を求められることもありますが、その際は正直に経緯を述べ反省と今後の計画を書きます。

こうした努力は必ず裁判所や管財人にも伝わり、免責許可(裁量免責)の後押しとなるでしょう。

免責不許可の場合の対応

万が一、浪費の程度が著しく「悪質」だと判断され免責不許可となってしまった場合でも、救済策が全く無いわけではありません。

免責が下りなかった場合には、即時抗告(不服申し立て)を検討したり、あるいは個人再生(借金を大幅圧縮して分割返済する手続き)への切り替えを検討することも可能です。

ただし、これらは例外的なケースです。まずは自己破産手続きの中で誠意ある対応を尽くし、借金ゼロへの道筋をつけることが現実的な解決への近道と言えるでしょう。

 

推し活の自己破産事例

40代男性からの相談で、推し活で借金を作ってしまい、5社320万円の負債となっており、支払いができないので自己破産をしたいとの希望がありました。

管財事件での申立を進めています。

浪費の原因には、精神症状もありました。そのため家計収支の適正化には時間がかかっていますが、なんとか裁量免責をもらうことができています。



推し活の借金がある人の自己破産相談・依頼も対応しています。ご相談は無料で受け付けています。

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弁護士 石井琢磨 神奈川県弁護士会所属 日弁連登録番号28708

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