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ケース紹介197 Mさんの事例

40代 /男性 / 会社員

借入の理由:学費、転居費用


神奈川県秦野市にお住まいの40代女性のケースです。

夜のお店での飲み代の借金が多く、浪費が問題になる事例でした。ただ、その原因は、単なる浪費では片付けられない問題がありました。

この記事は、

  • 飲み代の浪費で借金を作ってしまった人
  • 秦野市で自己破産を検討している人

という人に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2022.4.5

 

転職で借金

飲み代の借金理由は、家族が原因とのこと。そこで、内容を確認していきました。

結婚、子供が生まれ、妻が産休に入ったことで、相談者のみの収入で家計を支えていました。

子供の関係で生活費が足りなくなり、銀行から借金をするようになりました。

ただ、まもなく、妻も復職していたので、返済できると考えていました。

その後、深夜勤務ではなく、以前のような日中の仕事に転職したいと考えるようになり、仕事を辞めて職業訓練校に通うようになりました。

これにより収入が減ってしまいました。妻にも伝えましたが、収入が減ることに不満を持たれ、妻との関係は悪くなってしまいました。

 

妻からの暴力による支出増

妻との関係が悪くなり、夫婦間で意見の相違があると相談者の洋服が破られるなど暴力を振るわれるようになり、相談者が警察に逃げ込むこともありました。

DV、配偶者間の暴力は、男性からされるもの以外に、女性からのものもあります。

家庭内暴力などがあると、夫婦間の関係は悪化してしまいます。

そのような関係悪化が続き、家での食事がなくても何も言えないようになりました。

家に居づらくなり、外食をするしかなくなり、その際に、借金をするようになりました。

そのうちに飲み屋に行くようになっていきます。

借金については妻に言えませんでした。

このような生活が数年続き、借金が300万円以上に膨らんでしまっていました。

 

おまとめローンの利用

その後、妻の親の意見などもあり、妻との関係を心機一転やり直そうという話になりました。

それまでの家から引っ越せば、夫婦関係も改善するだろうと考えて、引っ越すことに。

環境を変えることで状況が変わることはあります。

しかし、引越し費用が必要になったため、信用金庫から300万円を借り、あわせて借金を一本化しようとしました。

ただ、それまでの借金を完済できるほどの金額は借りられなかったので、消費者金融等に一部を返済し、残りは引越し費用や育児費用等にあてました。

その後、信用金庫と残った信販会社に返済を続けて行こうとしたのですが、結局、引越しをしても妻との関係は改善せず、より悪化しました。会話もなく、食事もなく、同居しているのに子供とも関わらせてくれなくなりました。

こちらから意見をすると、また妻の暴力が出るのではないかと怖くなり、強く言えず、ストレス解消のため、外に飲みに行くようになってしまいました。

 

飲み代による浪費

居酒屋やスナックを何軒か回ってから家に帰るような生活が続き、多いときには1日に1万円以上も使うようになってしまいました。

おまとめローンの際に借金を完済した業者からも借入れをするようになってしまい、借りては返す、その間も飲みに行ってしまうということが続いてしまいました。

おまとめローンのデメリットでもある、再度借入ができてしまう誘惑に負けてしまった形です。

借金が倍増することになります。

 

借金を理由とする離婚

結局、妻との関係は修復できず、膨れ上がった借金の支払いもできなくなってしまったので、妻に借金の事を伝えると、離婚して欲しいと言われました。

その後、別居となり、離婚調停を経て離婚が成立。

妻との別居後は、外に飲みに行くこともなくなっていました。

しかし、収入から支払ができる金額ではなく、自己破産の相談に来たという経緯です。

 

 

裁量免責に関する意見書

今回の事例では、飲み代という浪費があります。

浪費により過大な債務負担、著しい財産減少があると、免責不許可事由となります。

金額的に大きかった支出であるものの、その背景には、妻からのDVというものもあり、同情の余地があります。

裁量免責が相当であるものの、破産管財人が選ばれる免責調査型の管財手続にされる可能性も相当にありました。

 

そこで、申立時には意見書を提出しています。

申立人は妻との関係が悪化し、外食、外での飲酒をするようになり、多いときで1日に1万円以上、1ヶ月に40万円程度を飲み代に使うこともあり、浪費であると認められる。
もっとも、その原因は、妻との関係が悪化したことによる外食から飲酒への移行であること、そのストレスを解消するためであったところ、妻との別居後、現在に至るまで、そのような支出は一切なくなっており、申立人に浪費癖があるとは認められない

原因が判明しており、すでにその対処がされていること、申立人が今後、養育費等を支払わなければならないことなどを考慮すると、裁量免責が相当であると考えるとの意見です。

このような事情も考慮され、破産管財人は選ばれず、同時廃止手続により裁量免責許可とされています。

 

客観的には浪費であったとしても、その原因が、病気にあるような場合には、管財人による免責調査まで不要とされることもあります。それに近い事情がある場合には、主張しておいた方が良いといえるでしょう。

 


飲み代による浪費理由とする自己破産相談も受け付けております。ご相談は無料で受け付けています。

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