競艇費用の自己破産事例。神奈川県厚木市・横浜市の弁護士。

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ケース紹介

 

ケース紹介210 Sさんの事例

30代 /男性 / 会社員

借入の理由:転職、出産、競艇


厚木市にお住まいの30代男性のケースです。

転職等の収入減で負ってしまった借金が払えないとの相談でしたが、相当額の競艇利用もあるという内容でした。

この記事は、

  • 収入が減って借金支払ができない
  • ギャンブル借金で自己破産を考えている

という人に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2022.8.18

 

営業費用でクレジットカード

奨学金を利用して専門学校に通いました。

その後、不動産営業の仕事につき、月収25万円程度。

この頃から、エポスカードなどのクレジットカードを利用し始め、生活費が一時的に不足した際にキャッシングなどを利用していました。キャッシング自体は、その後に完済するなどしました。ただ、日常的な買い物に利用していたものを深く考えずにリボ払いにするなどしていました。

他に三井住友カードを利用し始め、プレミアムアウトレット等で、スーツやカバンを買うことが増えました。不動産の営業ということもあり、身なりをしっかりしないといけないと言われ、支出が増えたとのことでした。また、このカードを利用して、定期代や、娯楽費の旅行費用などを支払ったりすることありました。

 

転職・医療費

営業の仕事で数字を上げるのが苦しく、自宅から近い勤務先に転職するなどしました。

一時的に収入が下がってしまった際に、カードで生活費を捻出することもありましたが、その後は、正社員として就職でき、以前よりも収入を増やす事ができたので、返済は続けられました。

しかし、数年後、父が病気になり、大学病院に入退院を繰り返し、医療費を負担。その後、父は他界。

葬儀、仏具購にクレジットカードを利用するなどしました。相続財産はありませんでした。

 

おまとめローン利用

返済のためにSMBCコンシューマーファイナンスを利用し始めました。

同社から、他社のローンを借り換えないかと提案され、限度額を変更して借入を増やし、クレジットカードの返済にあてるなどしました。

返済が楽になると言われたのですが、あまり変わりなく、その後、クレジットカードからもまた借り入れをすることになってしまい、借金総額は増えてしまいました。

おまとめローンのデメリットが前面に出てしまった形です。

 

車の買い替え

その後、車を買い換えました。もともと、同じローン会社でローンを組み、車に乗っていたところ、車検時期にディーラーから勧誘を受け、毎月の返済額が同じ金額で新車に乗り換えられるから買い換えないかと言われました。

毎月の返済額が同じであれば、負担は増えないと思い、提案どおりに買い換えをしました。毎月の返済額も3万円前後だったので、支払はできると考えていました。

しかし、その後、妻が妊娠し、仕事を辞めることになりました。それまでは夫婦の収入で生活していたのですが、妻の収入がなくなるため、家計が厳しくなりました。

 

退職により収入減

さらい、自身も仕事を退職することに。

勤務地では泊まり勤務もあり、肉体的に厳しかったことや、子育ての関係で日中の勤務に切り替えたく、長いあいだ、異動希望を出していたものの、認められなかったという経緯がありました。

ストレスで夜も眠れなくなり、子育てにも影響が出るため、退職という選択をしました。
その後、失業保険をもらいながら、転職活動していたのですが、すぐには転職できませんでした。

 

競艇に手を出し失敗

この時期に、返済のためにお金を増やせればと安易に考え、以前の社内預金や親族からの援助金を競艇につぎ込んでしまいました。

そのような発想がうまくいくわけもなく、資金がなくなり、返済ができなくなってしまったため、相談に来たというものでした。

 

自己破産と車の引き上げ

受任通知により自動車ローンの支払いも止めています。

信販会社に所有権留保が残っていたため、車は引き上げになっています。

通常は、日程調整のうえ2,3週間で引き上げとなることが多いです。

これに伴い、駐車場、自動車保険等の解約をしています。

 

競艇と自己破産

預金明細に、テレボートの入出金がはっきりと記載されていました。

競艇の支出です。ギャンブルによる借金増加は、免責不許可事由とされる可能性が高いです。

この場合、裁判官の裁量免責を狙う申立になります。

競艇について、相談者は、宝くじ等を除いて、ギャンブルをしたことはありませんでした。

しかし、約1年前に、以前の職場で同僚から強く誘われ、一緒に競艇に行きました。

その後、有給休暇の消化や退職に伴い、時間に余裕ができてしまったため、競艇を続けてしまうことに。

勝てる時期もあったため、一時期は、これで生計が立てられれば良い、借金を返せれば良い、などと安易に考えてしまいました。
しかし、勝てるはずもなく、すぐに転職もできなかったため、生活に行き詰まってしまいました。

弁護士に相談後は、このようなギャンブルには手を出していませんでした。

競艇の取引はすべて預金明細に載っていたため、これを集計しています。68万円程度の負けという結果でした。

 

宝くじと自己破産

預金明細には、宝くじ支出も多く記載されていました。

一応、宝くじも賭博行為となります。数百円程度であれば、収入の範囲内の支出で問題視されることはほぼないです。

しかし、金額が大きくなれば、免責不許可事由にもなってきます。

今回のケースでは、集計すると、約43万の支出になっていました。ここまでの金額だと、免責不許可事由になってしまうでしょう。

 

反省文で同時廃止

自己破産の申立後、裁判所では、免責調査型の管財手続きにして破産管財人の意見を聞くか、破産管財人を選ばずに同時廃止手続きで進めるかを決めることになります。

その判断に迷う場合には、本人に反省文を作成させ、それによって決めることもあります。

今回のケースでも、反省文の提出を指示され、これを作成しています。

反省文を提出した結果、破産管財人をつけずに同時廃止で裁量免責となりました。

破産管財人をつけることになった場合には、少なくとも管財予納金20万円を別に準備する必要があります。経済的な負担が出てくるので、かなり重要な問題となります。

 

経緯を見ると、ギャンブルで借金を増やしてしまっている点は問題ですが、依存のような状態とは違うことや、もともと別の原因での借金があり、その後に返済目的でしてしまっているという点、金額などが考慮されているものといえます。


競艇等のギャンブルを理由とする自己破産相談もあります。ご相談は無料で受け付けています。

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