自動車ローンを理由とする自己破産の注意点。神奈川県厚木市・横浜市の弁護士。

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50代 / 男性 / 無職

借入の理由:車購入、パチンコ、2回目


厚木市にお住まいの50代男性のケースです。

車を数年の間に何度も買い替えていたことから、多額の借金を負ってしまった事案でした。

車の高額支出も浪費となり、免責不許可事由とされることもあります。この点は丁寧に事実確認をし、主張できるところは破産申し立て時にしっかり主張しておく必要があります。

この記事は、

  • 車の購入が何度もあり自己破産を検討
  • 2回めの自己破産を検討

という人に役立つ内容です。

著者 弁護士石井琢磨

 弁護士石井琢磨
 更新:2022.9.17

 

 

車の買い替えと自己破産

借金をしている期間に車の買い替えがある場合には、その経緯を説明する必要があります。

車のローン自体が残っている場合もありますし、他の借金に実質上、切り替わっていることもあり、浪費にならないか検討する必要があるからです。

車自体は、金額が高くなりがちな支出です。

高額支出は浪費と判断されやすいですが、お住まいの地域によっては生活必需品であるともいえます。

そこで、当時の収入や、家族で所有していた車の台数、購入の理由、購入した車の金額などが浪費判断の際のポイントとなります。

車の購入が複数ある場合には、いつ頃からいつ頃まで何の車に乗っていたのか、およそいくらくらいだったのか等を図解してまとめると良いです。

打ち合わせの中で、そのように整理することも多いです。

そのうえで、それが浪費でないと主張するのであれば、理由を記載していく流れです。

 

2回めの自己破産からの車のローン

今回のケースでは、車の複数回の買い替えがあり、それなりの高額支出もあったため、経緯の説明が必要でした。

しかも、過去に自己破産をしたことがあるという2回めの自己破産の相談でした。

2回目の自己破産では、7年が過ぎていても、ギャンブル・浪費などの免責不許可事由は厳しくチェックされます。

詳細な説明が必要になってきます。

まず、過去の自己破産は、15年以上前とのことでした。当時の仕事での接待費用がかさんでしまったことが主な理由でした。

 

現金での購入からの車のローン

その後、接待費用の負担等がない仕事に就職。月収は25万円程度ありました。
通勤のため、現金で中古車を30万円程度で購入し、使用していました。

自己破産による信用情報への影響もあり、現金生活を送っていました。自己破産後は、ローンが組めないため、車の購入をする際も、現金での支払が原則となります。高額支出対策のため一定の貯蓄はしておく必要があります。

自己破産では、官報情報となるところ、官報情報の信用情報機関への掲載は5年とされています。

その後のローンは、個別審査の状況によって変わります。

一度、現金で中古車を購入したものの、数年もしないうちに、車が古すぎたため、セディナでローンを組んで新車に買い換えたとのことでした。金額的には、収入の範囲内で払えるので大丈夫だろうと考えていました。

ここでローン審査が通ったので、また借り入れできることが記憶として残ってしまいます。

 

400万円の車に買い替え

車の購入から3年後、どうしても車を買い替えたくなってしまい、同じセディナのローンで、買い替えました。このときのローン額は、約400万円でした。

車のローン自体は、何とか払える金額だったのですが、その支払をすると、それまでの生活を維持できず、飲み代などが足りなかったため、消費者金融で借り入れをするようになってしまいました。

消費者金融の高金利の借金に手を出してしまったため、多重債務状態になる可能性が極めて高くなってしまいました。

また、400万円という車のローン額は、過去に自己破産がなくても、浪費とされ、免責調査型の管財手続きにされることも多い金額帯です。

浪費の判断は、もちろん当時の収入や資産などの複数の要素によりますが、やはり500万円に近い車だと、高級車であるとされ、厳しく判断されることになるでしょう。

 

おまとめローンの利用

ここで、借金のおまとめローンを利用しました。

職場の労働組合関係で、ろうきんとの繋がりがあったので、相談。おまとめローンの利用をすることに。

セディナの車のローンもまとめるよう提案され、証書貸付でローンを切り替えました。

利息自体は下がり、支払は多少ラクになりました。

 

車の売却、再購入

その後、ローンを完済していた車両を売却したとのことでした。

職場の先輩に借金があり、返済を強く求められたため、車両を売却して、返済したとのことでした。

先輩との貸し借りは、職場で誘われ、パチンコに行っていたとのこと。お金がないときは断っていたものの「貸すから行こう」と強く誘われ、応じてしまっていたとのことでした。ここでも、ギャンブルという免責不許可事由が出てきてしまっています。

おまとめローンを利用したことで、自動車ローン会社へのローンは完済されており、車両を売却できる状態になっていました。

この売却で、通勤用の車がなくなってしまったので、さらに、セディナでローンを組んで、自動車を購入。

おまとめローンと合わせて、自動車ローンが二重になってしまっている状態です。

支払いが厳しくなり、クレジットカードを作成、利用する生活となりました。

 

職場の付き合いからの飲み代

そのような多重債務状態になった後に、飲み代もかさむようになってしまいまいsた。

職場の付き合いで行ったパブから始まり、頻繁にお金を使うように。

ボーナスが出ると、気が大きくなり、1回で10万円以上の支出もするようになってしまいます。

明らかな浪費とされる内容です。

 

車の再度の買い替え

さらに、車の買い替えが発生。

車の点検などをしていた自動車屋を変えたいという理由で、別の信販会社でローンを組み、買い替えたものです。以前のセディナの残ローンも加算した契約とされました。

車の買い替えには、燃費が悪かったという理由もありますが、点検を担当する自動車会社だけ変更すれば良い話であり、合理的な理由とはされにくいものです。

 

任意整理を弁護士に依頼

その後、支払が厳しく、任意整理をしました。

金額的には高額な借金となっており、元金を払うのは難しそうな状態でしたが、ボーナスを頼りに任意整理を強く希望したものでした。

過去に自己破産をしたことや、労金と職場の関係を考慮して、任意整理で何とかしたいとの考えでした。任意整理であれば、自動車ローンを外すことができ、自動車を維持することはできます。車が通勤に必要であったことから、無理をして任意整理を選択したとのことでした。

 

新型コロナウイルスの減収

任意整理は、元金をすべて支払う合意をする債務整理方法です。

分割払いにし、将来の利息はかからない形で合意できることがほとんどで、その場合、支払総額は減らせます。

ボーナス頼みで任意整理を進め、その後は、パチンコの誘いも断り、夜のお店にも行く事なく、借金を増やさずに生活を続けていました。

しかし、新型コロナウイルスの影響で、仕事が減ってしまいます。残業や休日出勤がなくなり、収入が減る見込みとなりました。当然、ボーナスも大幅減少に。


このままでは、支払いができないことになると考えて、自己破産手続きを依頼するに至りました。

免責不許可事由が複数あることや、財産状況から、同時廃止による解決は難しく、管財手続での申立をしています。

Q.同時廃止と異時廃止の違い、基準や条件は?

 

免責不許可事由と裁量免責

免責不許可事由があっても、裁判官の裁量による免責を受けられることがほとんどです。

申立の際には、裁量免責が相当であるとの意見を出し、破産管財人との面談でもそのような主張をし、免責調査報告書を作成してもらうよう求めることになります。

 

パチンコ支出については、当初は、職場での付き合いが主であり、職場の人間関係からもある程度の付き合いはせざるを得なかったものとも主張。その後、誘いは断り、任意整理後、現在に至るまでパチンコを止めることができており、依存性は低いことや、当時の仕事も退職していることから、再度、同様の失敗を繰り返す危険性は低いと説明しています。

飲み代の支出も、ボーナス時期であったことから、それなりに収入が高い時期の支出であったことや、同様の店に通うようになったのも、職場の付き合いがきっかけであった点を主張。現在は、同種の店には行っていないとの説明をしています。


これらの債務について、任意整理により返済を試みたものの、新型コロナウイルスの影響による収入減から支払いができなくなるに至っているものであり、支払不能のきっかけの収入減は予期し得ない理由であることも考慮してもらいたいと伝え、裁量免責が認められています

 


厚木市の破産管財人

厚木市にお住まいのため、自己破産の申立は横浜地方裁判所小田原支部にしています。

個人破産の場合、破産管財人は、地域の弁護士が選ばれることが多いです。

今回も、厚木市内の弁護士が選任されています。免責不許可事由の報告をした結果、事情を考慮してもらえ、裁量免責が相当であるとの意見を提出してもらえています。

裁判官の判断も、これを尊重し、裁量免責の許可が出ています。

 

 

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